2026.4.29
[2027年夏に稼働予定の2期工場(イメージ)]
2023年9月に富士チタン工業、村田製作所、石原産業の3社で設立した「MFマテリアル」の延岡工場では、2027年7月の稼働を目指し、現在、2期工場の新設を進めている。
2019(平成31)年、前身である富士チタン工業が延岡市の高台に位置するクレアパーク延岡工業団地第2工区に、敷地面積約9200平方メートルの1期工場を構えた。スマートフォンや自動車、AI関連機器などに使われる積層セラミックコンデンサの材料「チタン酸バリウム」の生産拠点として操業を開始した。その後、世界的な技術革新が進む中で、さらなる需要拡大が見込まれることから、3社による合弁会社を設立した。世界シェアの獲得を目指している。延岡工場の増設は、世界的な需要増に応えるための増産投資の一環と位置づける。
現在稼働している1期工場に隣接して建設を進める2期工場の敷地面積は約1万2000平方メートルで、1期工場を上回る規模。生産ラインスペースに加え、ラウンジなどの共有スペースも備える予定。

[オープンスペースを活かした明るく働きやすいオフィス(イメージ)]

[社員がリラックスして休憩できる空間として整備するラウンジ(イメージ)]
2期工場では、1期工場での生産設備やシステム設計・操業で得た知見を反映。品質を維持しながら生産量を高めるため機械の自動化を進めるほか、職場環境にも配慮し、対流を考慮した空調設備を整備する。1期工場よりもさらに快適な作業環境の実現を目指す。
小川生産本部長は「まずは、働く人の負担軽減を第一に考えた。重量物運搬、粉じん作業、交代勤務といった現場の負担に加え、今後の労働人口の減少や社員の高齢化を見据えると、自動化率を上げていく必要がある。今回の2期工場では、自動化率を2~3割程度引き上げる予定。長く働ける職場をつくることが重要で、自動化はコスト対策であると同時に人を守るための投資でもある」と話す。生産量についても「1期工場の約3倍規模まで能力を引き上げ、高効率かつ高い生産能力を持つ増産拠点としていきたい」とも。

[国内外の生産工場立ち上げに携わってきた小川生産本部長]
工場の作業環境の向上だけでなく、社員の休憩スペースの充実にも力を入れる。建物はビルの4階相当の高さを想定し、共有スペースとなるラウンジは最上階に設ける。窓からは行縢山を望む景色が広がるという。現場の社員がリラックスしながら意見を交わし、新たな気づきを生み出す場とすることを目的とする。将来的には地域の小中学生や高校生の見学受け入れなど、地域と接点を持つ場としての活用も見据える。

[地域の人たちとの交流の場としての活用も目指す食堂(イメージ)]
小川本部長は2期工場で求める人材について「少人数でラインを担う場面が増える中、指示通りに動くだけでなく、自ら考え、改善に向き合える人材がより重要になる。製造現場では、日々の改善の積み重ねが工場の発展や進化につながる。IT化が進む時代だからこそ、真面目さを土台にしながら、変化に対応できる力も求められる」と話し、「こうした流れに伴い、現場で求められる仕事の内容も変わっていくことを見据える。オペレーター業務にとどまらず、機械保全などの技術職や品質管理などへ活躍の幅を広げられるよう教育体制を整えることも、我々の役目の一つだと考えている。将来的な現場業務の変化を踏まえ、従業員一人一人が担える役割を広げていくことを前提に育成を進めている。地域の人たちが誇りに思える会社、親が子どもに勧めたくなる会社でありたい」と展望を示す。
2期工場は2027年7月の竣工を予定し、一部稼働を開始する見込み。

[小川生産本部長とMFマテリアルの社員たち]
(取材・撮影/新名 有佳)
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